功績大のJリーグ助っ人バンディエラたち。
商店街に名前が残る選手も

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 2007年に加入したボッティの在籍5年は、外国人としてはクラブ史上最長記録。リーグ戦140試合8得点を記録したブラジル人は、中盤で違いを生み出す典型的な10番として、ヴィッセルサポーターの記憶に刻まれている。

 また、Jリーグがスタートする以前の1988年に来日したモネールは、フリューゲルスの前身にあたる全日空で3年プレーしたあと、スペインのアトレティコ・マドリードに移籍。しかし、Jリーグ開幕年の1993年に再来日を果たすと、フリューゲルスで2年間プレーし、さらに2002年からはフリューゲルスを後継する横浜FCにも2シーズン在籍するなど、フリューゲルスの系譜を象徴するレジェンドのひとりとなった。

 一方、晩年に他のJクラブに在籍したものの、準バンディエラとして各クラブのサポーターから崇められる外国人選手としては、FC東京のアマラオ、川崎フロンターレのジュニーニョ、サンフレッチェ広島のミキッチ、柏レイソルのフランサ、ベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)のベッチーニョらが挙げられる。

 とりわけ、FC東京の前身にあたる東京ガス時代から12年にわたってプレーしたアマラオは、のちに「キング・オブ・トーキョー」としてサポーターから敬愛される別格の存在。自伝的ドキュメンタリー映画も制作されるなど、クラブの歴史の一部となっている。

 Jリーグ過去28年の歴史を振り返っても、ここに挙げたような外国人バンディエラは数えるほどしか存在しない。今シーズン活躍する外国人選手のなかにも、のちに語り草となるような「助っ人バンディエラ」が生まれることを期待したい。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る