42歳以上のJリーガー6人の今。まだまだユニフォームは脱がない (3ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

 その水戸で2018年、40歳にして念願のJリーガーとなったのが、異色の経歴を持つ安彦孝真だ。

 本間と同学年の1978年2月1日生まれの安彦は、40歳を手前にしてプロサッカー選手になることを決意し、2018年に水戸の練習生として参加。そこで認められて、同年3月に「年俸10円」という異例の契約で水戸入りを果たした。しかし、J2の舞台で出番は得られなかった。

 ところが昨季、今度は「年俸120円」でJ3のYS横浜と契約すると、3月10日の開幕戦・ガイナーレ鳥取戦で41歳1カ月9日にしてJリーグデビューを果たし、J3でリーグ戦8試合に出場。今季は第22節までにベンチ入りした5試合のうち3試合に途中出場し、本人いわく「現役ラストイヤー」でのJ初ゴール達成に向けて全力で挑んでいる。

 年齢を重ねてもなお、ピッチに立つことをあきらめない『O−42』。彼らはキャリアの全盛期に備えていたものを失っても、それを嘆くのではなく、今あるもので何ができるかを常に考えている。

 とにかく、毎日が新しい日なんだ、とばかりに......。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る