遠藤保仁だけじゃない。現役続行の「黄金世代」たちの今 (3ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Nikkan sports/AFLO

 一方、1999年ワールドユースのメンバー選外ながらも、現役生活を続ける黄金世代もいる。

 G大阪時代には遠藤とともにリーグ優勝やACLタイトルの獲得した橋本英郎(J1通算339試合19得点)は、昨季からFC今治でプレーして2年ぶりにJリーグに復帰。J3を戦う今季は第20節までに14試合に出場(先発11試合)と、豊富な経験値を新興チームに還元している。

 遠藤のJ2移籍により、黄金世代でJ1所属のフィールドプレーヤーはゼロになった。だが、ふたりのGKはいぶし銀の働きを見せている。

1999年ワールドユースでは榎本達也(J1通算223試合/2016年末引退)に背番号1を譲ったものの、本大会の守護神をつとめた背番号18の南雄太(昨季までJ1通算246試合)は、2014年から所属する横浜FCとともに11年ぶりにJ1に復帰。今季は第20節までのうち10試合に先発出場している。

 1999年ワールドユースは"19番目"のバックアップメンバーとして戦い、翌年のシドニー五輪も遠藤保仁らと予備登録だった曽ヶ端準(昨季までJ1通算532試合)は、今年で鹿島在籍23年目。今季は自身の誕生日前日に行なわれた大分トリニータ戦に出場した。成長著しい21歳の沖悠哉、韓国代表のクォン・スンテのバックアッパーながら、負けじとベテランの意地を見せている。

 黄金世代も40歳の大台を越えて、寄る年波に抗えなくなりつつある。だが、Jリーグ最高峰のJ1では彼らよりも年長の53歳・三浦知良や42歳・中村俊輔が存在感を放っている。

 日本サッカー史に燦然と輝くタレントたちが揃った黄金世代が、このままJ1リーグの舞台から消えていっては寂しいかぎり。もうひと花も、ふた花も咲かせてくれることを期待したい。

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