2020.10.07

独自選考Jリーグ月間MVP。エリキ、驚きの覚醒のきっかけは何か

  • photo by Matsuoka Kenzaburo

得点率の高い小林悠を推したい

杉山茂樹氏(スポーツライター)

1位 小林悠(川崎フロンターレ)
2位 エヴェラウド(鹿島アントラーズ)
3位 エリキ(横浜F・マリノス)
4位 マテイ・ヨニッチ(セレッソ大阪)
5位 奥埜博亮(セレッソ大阪)

 川崎フロンターレの鬼木達監督は、今季これまで交代枠を毎試合、すべて使い切っているJ1唯一の監督だ。多くの選手に出場機会を与えようとする、まさに民主的な采配を披露しながら首位を独走。過密日程のリーグ戦に適した戦い方であり、選手の精神的なコンディションが乱れがちな、ウィズ・コロナのシーズンに適した戦い方だ。

 センターフォワード(CF)の座を争う小林悠とレアンドロ・ダミアンのふたりも、先発と途中交代を交互に繰り返している。2トップで戦うこともあった昨季は併用もあったが、今季の布陣は4-3-3。1トップ型だ。どちらかひとりしかピッチに立てない制約がある。

 小林には右ウイングもこなす多機能性があるが、今季は新人の旗手怜央が、家長昭博とともにそのポジションを埋めるため、小林が右を務める機会は減っている。つまり出場時間そのものが減った格好だ。

 にもかかわらず得点ランキングで2位タイ(11点)に付ける。出場時間は、首位を行くオルンガ(柏レイソル)の半分強だから、得点率では大きく上回ることになる。9月は332分間で4ゴール。1試合1点ペースだ。19節の湘南ベルマーレ戦では決勝弾を叩き出している。出場時間が減った不満はあるはずだが、そこを堪え、限られた時間で結果を出す小林。いま最も讃えるべき選手だと思う。

 つづくはエヴェラウド。9月を5勝1敗の成績で終え、順位を盛り返した鹿島を語ろうとすれば、この選手は外せない存在になる。9月唯一の敗戦である大分トリニータ戦も、失点を許したのは彼がピッチを去った後だった。ワンマンチームとは言わないが、替えの効かない選手であることは確かだ。

 3番手はエリキ。6試合で8ゴールを奪い、9月の得点王に輝いた。いま最も当たっている選手だ。

 4番手は好調セレッソ大阪を支えるセンターバック、マテイ・ヨニッチ。自慢の守備のみならず、ベガルタ仙台戦で奪ったヘディングシュートが圧巻だった。

 5番手は同じくC大阪の奥埜博亮。CFと守備的MFをこなす多機能性が光る。彼なしにチームの好成績は語れない。