2020.09.29

J3最下位から2年でV字回復。
ギラヴァンツがJ1へミラクル昇格なるか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 それでも北九州は、いかに対戦相手に分析され、対策を講じられようと、成す術なく敗れているわけではない。

 小林監督は「(東京Vに対策されても)後半は我々が先手を取って、(相手の)システムに合わせた(前へのボールの)持ち出しができた」と語り、「もう少し圧をかけ続け、点が取れればよかったが」と悔やみつつも、「後半の修正はすごくうまくいった」と選手たちを称える。

 キャプテンの加藤もまた、手痛い連敗にも下を向くことなく、「相手どうこうではなく、自分たちがやるべきことをしっかりやらないといけないと感じた」と言い、力強くこう続ける。

「何節か前から、少し自分たちに合わせてサッカーをしてくるチームが出てきたと感じる。でも、(自分たちに)合わせてもらっている時点で先手を取れていると思う。伸二さん(が監督)になって、去年から積み重ねてきたことをやれば、得点できるし、勝ち点も取れる。相手ではなく、自分たち(次第)かなと思っている」

 確かに痛い連敗であるのは間違いないが、内容的に見れば、過度に悲観的になる必要はないのだろう。

 振り返ってみると、2010年のJFLからJ2に昇格して以来、北九州は波乱に満ちた歴史を歩んできた。

 J2での初めてのシーズンとなった2010年は、わずか1勝しかできずに最下位(全19クラブ)。だが、その後はひと桁順位とふた桁順位を行ったり来たりしながら、2014年にはクラブ史上最高の5位に入った。本来ならJ1昇格プレーオフに進出できる順位である。昇格に必要なクラブライセンスを持っていなかったため、プレーオフには出場できなかったものの、実力の上ではJ1昇格を視野に捉えていた。

 翌2015年も7位につけ、夢のJ1まであと一歩――。そう思った矢先、2016年にまさかの最下位(全22クラブ)に終わり、J3降格。すると、加速度的に進む転落に歯止めをかけることができないまま、2018年には、J3ですら最下位(全17クラブ)の屈辱を味わった。