2020.09.29

J3最下位から2年でV字回復。
ギラヴァンツがJ1へミラクル昇格なるか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 チームの得点源となっているのは2トップ、10ゴールのFWディサロ燦シルヴァーノと、7ゴールのFW町野修斗だ。そこに加え、テクニックと突破力に優れたサイドハーフ陣、MF高橋大悟、MF椿直起、MF新垣貴之が攻撃に厚みを作り出している。

 20代前半の若い選手が多いなか、31歳のキャプテン、MF加藤弘堅が攻守をうまく連動させ、好調なチームを支えているのも頼もしい。

 チームを率いる小林伸二監督は、J3だった昨季から指揮を執っており、継続したチーム作りという強みもある。加えて60歳のベテラン監督は、過去に異なる3クラブ(2002年大分トリニータ、2008年モンテディオ山形、2013年徳島ヴォルティス)を初のJ1昇格に導いた経験を持つ、Jリーグきっての昇格請負人である。

 こうなると、北九州の躍進が、一過性のサプライズとは思えなくなってくる。

 しかしながら、積み重ねた勝ち点に比例して、ライバルからの警戒が強まるのは必然の流れ。首位に立ってしまえば、その試練を避けては通れない。

 第18節からの3連勝で、順調にトップを走っていた北九州だったが、第21節で水戸ホーリーホックに0-3と敗れたのに続き、直近の第22節でも東京ヴェルディに0-1と敗れ、開幕直後以来となる連敗。勝ち点でも徳島ヴォルディスに44で並ばれ、得失点差で首位の座を明け渡すことになった。

 東京Vの永井秀樹監督は、第22節の北九州戦を「1カ月ほど前(第14節)にアウェーで非常に悔しい負け(1-2)をした。その悔しさが残るなかでのリベンジマッチだった」と評したが、今後は多くのクラブが東京V同様、先の借りを返すべく、北九州に挑んでくるはずだ。

 もちろん、「リベンジ」とは気持ちや姿勢だけを意味しない。

 永井監督は事前に北九州を分析し、「(北九州の)サイドバックが高い位置を取るので、その背後を効率よく使う」という狙いがあったことを明かしていたが、こうした包囲網は当然、他クラブにも広がっていくはずだ。