イニエスタかオルンガか、それとも...。Jリーグ月間MVPを独自選考! (2ページ目)

  • photo by Matsuoka Kenzaburo

オルンガはJ史上最高の決定力かも

杉山茂樹氏(スポーツライター)

1位 オルンガ(柏レイソル)
2位 古橋亨梧(ヴィッセル神戸)
3位 家長昭博(川崎フロンターレ)
4位 チャナティップ(北海道コンサドーレ札幌)
5位 エウシーニョ(清水エスパルス)

 現在5位につける柏だが、こう言ってはなんだが、サッカーそのものは、けっしてよくないと思う。上位のサッカーと言うより下位のサッカーだ。内容と結果。その差は10位分近くあるのではないか。

 その大きな差を縮めることに成功している理由は、ひとえにオルンガのプレーにある。Jリーグ史上最高の決定力かもしれない。他の追随を許さぬ圧倒的な存在であることは言うまでもない。

 心配になるのは引き抜きだ。このプレーを見れば、欧州の各クラブは黙っていない。オルンガはシーズンの最後まで、柏に留まることができるか。Jリーグの大きな見どころと言える。

 古橋はいま、選手として急速に伸びている。従来の日本人選手にはない、ドイツ人的とさえ言いたくなる骨太なプレーをする。緩急の付け方、パンチ力、シュートのタイミングを掴むことも上達。日本代表級に成長した。イニエスタに育てられている感じだ。

 今季の川崎の躍進を語ろうとした時、最も外せない選手は家長になる。川崎のサッカーの変化は、彼のポジション取りの変化と密接に関係している。真ん中に寄らず、右サイドにポジションを取る時間が増えたことで、ボールの流れは格段によくなった。

 ボールを支配する場所が真ん中からサイドに移り、パスワークが安定。攻撃の効率が増すとともに、相手ボール時の対応もよくなった。守備の網が相手に掛かりやすくなっている。

 2シーズン前にJリーグMVPに輝いた年長の実力者がプライドを捨て、チームプレーに徹したが故の産物だ。家長はチームの成績に最も大きな影響を与えている選手だと言える。

 チャナティップは来日当初、目に付いた貧弱さが、すっかりなくなった。見る度にプレーがパワフルになっている。好位を維持している札幌にあって最も欠かせない選手。彼がいるかいないかで、札幌の順位は5位くらい変わると見る。

 エウシーニョは現代サッカーにおける理想のサイドバック(SB)。川崎はなんで手放したのかという疑問はさておき、清水は実際、彼の復帰と呼応するようにサッカーの内容も上昇。攻めが分厚くなり、成績も上昇した。「サッカーはSBで決まる」という現代サッカーの格言を地でいく選手だ。

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