交代枠5人の活用を数字で検証。うまいチームと下手なチームはどこ? (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio


途中出場からでも結果を残している小林悠途中出場からでも結果を残している小林悠 しかも、単に選手交代が早くて多い、というだけではない。その質の高さも川崎の武器となっており、交代選手の得点数6は全クラブ中最多。とりわけFW小林悠の勝負強さは抜きん出ており、交代出場だけで4ゴールを決めている。

 加えて言えば、小林は今季、ルヴァンカップでも交代出場で2ゴールを挙げており、合計6ゴール。昨季も公式戦合計5ゴールで"交代ゴール得点王"だった小林だが、今季は早くも昨季のゴール数を上回っている。

 次いで選手交代の有効活用が目立つのは、大分トリニータである。

 交代選手の得点数5と、川崎に次ぐ数字を残している大分は、1試合平均の交代人数も4.7人と多く、先発メンバーの入れ替えも含め、選手のローテーションに積極的な姿勢が目立つ。

 同じことは、湘南ベルマーレにも言える。最新順位(第9節終了)で最下位と苦しんではいるが、ローテーションは活発で、FW石原直樹の勝負強さも心強い。

 どちらのクラブも、現状では下位に低迷しているが、競馬にたとえるなら、"脚をタメている"状態だと言えるのかもしれない。

 対照的に名古屋グランパスは、1試合平均の交代人数が3.8人と少なく、交代枠増の特別ルールをさほど生かしていない。スタートダッシュに成功したとはいえ、先発メンバーの固定化傾向も含めた少数精鋭の戦い方は、今後が心配されるところではある。

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