再開後に評価が急上昇した浦和レッズ。
それが正しいことを証明した一戦

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • ヤナガワゴー!●撮影 photo by Yanagawa Go

◆J1全順位を改めて予想した記事をこちら>>

 J1第7節、横浜FCvs浦和レッズの試合は、奇しくも喜ばしくないことで共通するもの同士の対戦だった。

 まずは、どちらも2連敗中だったこと。そして、4日前に行なわれた前節の試合で、横浜FCは横浜F・マリノスに、浦和は柏レイソルに、いずれも0-4で大敗。前半は0-1と僅差の勝負を繰り広げながら、後半に3失点を重ねるという敗戦経過まで奇妙に合致していた。

 バックスタンド後方には何度も稲妻が光り、生温い南風がピッチを勢いよく駆け抜ける。両チームにとっては文字どおり怪しい雲行きのなか、連敗ストップをかけた一戦は行なわれた。

 結果は2-0。勝ったのは浦和である。

 浦和は、横浜FCが的確にヒットさせてくるジャブに手を焼き、ポイントではリードされていたものの、勝負どころで相手のスキを見逃さず、強烈なストレートと、カウンターからのフックを浴びせてノックアウト勝ち。ボクシングに例えるなら、そんな印象の試合だった。

 浦和にしてみれば、決して満足できる試合内容ではなかっただろう。しかし、それでもきっちりと勝ち点3を手にするあたりに、貫禄勝ちとでも言うべき、浦和の強さが感じられた。

 長いシーズン、特に今季のような超過密日程のリーグ戦を勝ち抜くにおいては、"こういう試合"で"こういう勝ち方"ができるかどうか。それが、強いチームか否かを分ける重要な条件となる。

 そう考えると、今の浦和は確かに強い。少なくとも、今季開幕前の評判よりははるかに。

 今季開幕前、浦和の評価はお世辞にも高かったとは言い難い。昨季はAFCチャンピオンズリーグでこそ決勝に進出したものの、J1はというと、シーズンを通して優勝争いに加われず、ラスト5試合に至っては3敗2分けと勝利なし。J2降格の危機も迫る14位に終わっていたのだから、当然と言えば当然だ。

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