ジーコが緊急来日前に決意を激白「いまアントラーズに伝えたいこと」 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 一番重要なのは「選手たちに自信を持たせること」だとジーコは言う。彼の今回の日本行きの最大の目的は、ジーコ自身が選手に直接語りかけることだ。

「選手たちに会ったら、まずこう言いたい。『君たちには才能がある、もっともっと力を出すことができる。鹿島のユニホームをまとっているということは、才能が、聡明さがあるという何よりの証拠だ。私は信じている。君たちは全員、私とテクニカルスタッフが慎重に選んだ選手だ。我々は君たち以上に君たちの才能を知っている。もしうまくいっていないなら、それは試合へのアプローチの仕方が間違っているからだ。しかし心配することはない。もし間違っていたら、もう一度やり直せばいい。一緒にやっていこう!』と」

 メンタリティのあり方を修正し、練習でフィジカルとチームワークを取り戻せば、鹿島は短期間のうちに本来の姿に戻るとジーコは信じている。

「どんなにビデオを見ても、実際に選手と向かい合い、その目を見て話をしなければわからないことがある。何が問題なのか、何を感じているのか、ひとりひとりの問題を解決する助けとなりたい。私が日本に行くことで、鹿島とはどういうチームかを選手たちに思い出してもらいたい。そのためにはどんな犠牲を払ってもいいと思う」

 この時期にブラジルから日本へ行くのは大変なことである。ジーコはブラジル出発前にPCR検査、抗原検査、抗体検査の3種類の検査を受けたが、結果はすべて陰性だった。ただ、日本に着いてからもまた新たに検査を受けねばならず、これが陰性であっても、2週間は自宅(もしくは指定された施設)待機で、不要不急の外出を避けなければならない。

「でも、心配はしていない。いつ日本に行ってもいいよう、この数カ月、細心の注意を払って行動してきた。たぶん日本に行っても陰性だろう」

 大変なのはコロナ対策だけではない。旅行者がほとんどいない現在、多くの航空会社は減便している。日本行きの便はなかなか見つからない。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る