2020.07.24

鹿島に「常勝軍団」の面影なし。
例年ならJ2降格もある不振の要因は

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 とはいえ、である。

 必ずしも内容と結果が結びつくとは限らないにしても、1勝5敗はいくらなんでも負けすぎだ。しかも、ひとつの引き分けもなく、5敗を喫し、そのうち1点差負けが3つ。競り合いでの弱さが、どうにも鹿島らしくない。

 当然、結果が出ない試合が長く続くことは、いい影響を及ぼさない。

 ザーゴ監督は「やっていることは間違っていない。しっかり取り組んで結果につなげたい」と話すが、選手は勝てないことで精神的余裕を失い、疑心暗鬼に陥ることもあるだろう。主力に他クラブからの移籍組が増えるなか、勝って当たり前という"常勝軍団"の看板が、余計な重荷にすらなりかねない。

 加えて、鹿島が戦力的には充実していて選手層も厚いとは言っても、突出した実績や経験を持った選手がいるわけではない。

 前節2ゴールの上田をはじめ、高卒ルーキーのFW染野唯月などは、確かに将来性を感じさせる有望株ではあるが、若い彼らにチーム浮沈のカギを握らせてしまうのは酷というものだろう。

 湘南戦を見ていても、確かに鹿島の選手は粒ぞろい。平均点は高い。湘南のFW岩崎悠人が「(鹿島は)技術のある選手が多く、プレッシャーをかけても外されることが多かった。うまいなっていう印象はあった」と語っているとおりだ。

 しかし、その実態はというと、攻めてはいても決定機は少なく、必然、得点も少ないのが現実だ。

 鹿島のサッカーは、よくも悪くもオーソドックス。基本的なことをバランスよくこなすなかで、選手個々が自分の力を発揮する。それが、鹿島の強さではある。だが、裏を返せば、複雑な連係を煮詰めているわけではない以上、戦術的にも今後、飛躍的な上積みがあるとは考えにくい。

 よく言えば、"粒ぞろいでどこからでも攻められる"チームは、悪く言えば、"これと言った決め手がない"。そこに、下位低迷の要因がある。