2020.07.22

再開後のJ1で攻撃型チームの明暗が分かれている要因を探る

  • text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 一方、川崎と同様に攻撃的なスタイルを取る、昨季王者の横浜F・マリノスと天皇杯優勝チームのヴィッセル神戸。この2チームは、カウンタースタイルの相手チームの狙いどおりにやられている試合が多い。

 横浜FMは、結果は敗れているものの、内容に目を向ければ、彼らがほとんどの時間帯で相手を押し込み、チャンスも数多くつくっている。しかし、昨年の川崎がそうだったが、攻撃的なチームはゴールが奪い切れないと相手チームのカウンターを食らいやすい。

 ただ、アンジェ・ポステコグルー監督は、昨年同様の戦いをしていては勝てないと理解しているはずだ。選手層が厚くなった今季は、コンディションのいい選手を使いながら、まだメンバー構成のベストな形を模索している段階にあると感じる。

 つまり、10月にアジアチャンピオンズリーグ(ACL)が控えていることも考慮して、勝負どころはまだ先にあると踏んでいるのではないか。メンバーを固めてチームがマンネリ化しないようにマネジメントをしている。裏返せば、まだそれだけ余力があるということだ。

 神戸は、アンドレス・イニエスタを毎試合使わず、4節大分トリニータ戦などはメンバーを大胆に変えて臨んだ。このあたり、彼らもまたACLを見据えた戦いをしているようだ。

 また、今季は降格がないだけに、軸足をACLに置きながら、世代交代も推し進めようとする狙いも感じられる。しかし、こうした方針は決して敗戦の言い訳にはならないのがプロスポーツの世界だ。

 ここまでは、自分たちのミスから喫した失点が目立っている。ボールを保持しながら相手を圧倒するには、チーム全体のクオリティーを高めていかなければ厳しい。どれだけスペシャルな選手がいようとも、味方のなかにひとり、ふたりリズムの合わない選手がいるだけで、チーム全体のリズムが崩れてしまうからだ。

 いい時はいいが、悪い時は脆い。この点を打破するのが、神戸がさらに上位クラブへと成長していくために求められることだろう。