鹿島・上田綺世のユニークなコメント力。
オンライン会見でも存在感

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

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 鹿島アントラーズが今季初勝利を挙げた。相手は昨季のリーグ王者、横浜F・マリノス。攻撃的なパスサッカーを展開する横浜FMの裏をつく形で得点を重ね、4-2の快勝だった。クラブ史上ワーストの開幕4連敗からどうにか脱出できたことで、ピッチ上の選手たちからは、歓喜というよりも安堵の表情が見て取れた。


 鹿島のザーゴ監督はこの日、先発メンバーを5人入れ替えて試合に臨んだ。指揮官はこのメンバー変更を「流れを変えるため」だとしている。

「前の試合に出ていた選手たち(のプレー)が微妙だったとか、役割を果たせなかったというわけではない。(これまでの試合も)チャンスは多く作ったが、ゴールにならなかった、その流れ変えるために人を変えただけだ。(外した選手を)否定はしないし、それは彼らと率直に話をしている。個人の評価をするより、勝利が必要。そこを評価すべきだろう」

横浜F・マリノス戦で2得点を挙げ、勝利に貢献した上田綺世(鹿島アントラーズ)横浜F・マリノス戦で2得点を挙げ、勝利に貢献した上田綺世(鹿島アントラーズ) メンバーの入れ替えは結果につながった。今季初先発となった上田綺世が2得点、前節は出場のなかったエヴェラウドが1得点。特に、試合開始3分の上田の得点は、この2人のコンビネーションから生まれたものだった。

「エヴェラウドがサイドをえぐったら、『(自分は)ファーに膨らんで待つ』という話をしていた。意識していたポジショニングだった」(上田)

 チームを勢いづかせるのに、うってつけの得点だった。

 ストライカーとしての価値を見せつけた上田だが、試合後の発言もなかなか気が利いていて、他とは違う存在感を感じさせた。試合後のオンラインでの会見の冒頭、試合そのものと自分のプレーについて次のように振り返っている。

「コンディションもなかなか上がらない状況で、評価をもらえない状況が続いていたが、チャンスをある程度ものにできた。(個人的に)よかったなと思う。勝てたので、チームが勢いづく試合になったのもよかった。(2得点以外に)決めきれなかったチャンスもあった。そういうところや守備、ボールにもっと絡んだりすること、90分ゲームをする体力(横浜FM戦は80分で途中交代)、フィジカルはまだまだかなと」

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