今季「J1全順位」を改めて予想。急浮上、急降下するチームはあるか (4ページ目)

  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

意外にも的を射ていた開幕前の予想。
それでも浦和と名古屋の評価を少しアップ

原山裕平氏(サッカーライター)

 意外と的を射ていたのではないか。まだ4節を終えたに過ぎないが、開幕前に振り絞った順位予想は、今のところ"いい線いっている"と、我ながら思う次第であります。

 現在首位の川崎フロンターレを優勝とし、開幕3連勝と好スタートを切ったセレッソ大阪を2位予想。FC東京、サンフレッチェ広島もしっかりと上に置いている。

 川崎を推した理由には「新陳代謝」と「システム変更による攻撃力向上」というキーワードを挙げ、C大阪と広島は「守備の安定」を指摘している。

 なかでも核心を突いたのは、鹿島アントラーズに関するコメントだ。

『読めないのが、鹿島アントラーズだ。アントニオ・カルロス・ザーゴ監督を迎え、新戦力も数多く補強。戦力的には優勝に推してもいいチームだが、方向転換による弊害が生まれてくる可能性も否定できない。改革による痛みが伴うシーズンとなるかもしれない』

 まるでゲッターズ飯田のごとく、この苦戦を予知していたのである。

 もっとも「かもしれない」と断言せず、予想も7位と振り切れなかったあたりに、自信のなさが表れている。「あの鹿島が」という想いが、どこかにあったのだろう。ところが蓋を開けてみれば、「あの鹿島が」まさかの開幕4連敗。ここまでの苦戦は、さすがに予想できなかった。

 とはいえ、日ごろから「一度決めことは最後まで貫け!」と息子たちに説いている立場としては、「予想を変えてもいい」という編集部の誘惑にも、しっぽを振って飛びつくわけにはいかない。男に二言はないのだ。成功者の条件に「グリット」というものがある。信念をもってやり抜く力を備えた者こそが、成功をつかみ取るのだ!

 と、息巻いてはみたものの、謙虚にミスを認めて、方向転換していく「修正力」もまた成功者には求められるものだ。なので、やっぱり、ちょっとだけ、変えさせていただきます。

 やはり予想をはるかに超えた鹿島を大幅ダウンせざるを得ないだろう。開幕から調子が上がらない横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸、柏レイソルもやや下落。逆に意外な(?)安定ぶりを発揮している浦和レッズと名古屋グランパスを少しだけ上に。今季見たなかでは最も印象的なサッカーをしていた横浜FCも上方修正させていただいた。

 降格なし、交代枠の増加、AFCチャンピオンズリーグの変則日程など、今季のJリーグは未知の部分があまりにも大きい。そんな未曽有のシーズンを過ごすなか、各チームに求められるものは何か。

 信念の下で貫く「グリット」と、苦境時に試される「修正力」なのかもしれない(断言せず)。

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