湘南vs札幌ではっきり見えた。コロナ禍のJ1はクラブ格差を明確に示す (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 湘南は4枚代えこそなかったものの、後半13分と27分にそれぞれふたりずつ選手交代。湘南の浮嶋敏監督は、「後半は押し込む回数や時間が多かった」と語っていたが、そこにどれほど得点機があったのかは疑わしい。指揮官が「ペナルティーエリアに入ってくるプレーを多くしないと、ゴールは割れない」とも話したとおりだ。後半39分に最後の交代カードを切り、すべての交代枠を使い切ったが、結局、得点には結びつかなかった。

 湘南は前節の横浜F・マリノス戦で、先制点を奪いながら相手の3枚代えをきっかけに逆転を許し、2-3と敗れている。今回はその分を取り返したかったところだろうが、どうにか開幕戦からの連敗を3で止め、勝ち点1を確保するにとどまった。

 連戦の疲労が蓄積しているなか、選手交代を活用しながらギアを一段上げる。それが難しかったことについては、両チームに共通した。だとすれば、スコアレスドローは妥当な結果だったと言わざるを得ない。

湘南ベルマーレvsコンサドーレ札幌の一戦はともに決め手を欠いていた湘南ベルマーレvsコンサドーレ札幌の一戦はともに決め手を欠いていた 今季J1が再開されるにあたり、「過密日程」と「交代枠増」がキーポイントになることは、十分に予想されたことである。

 中3日程度で試合が続くとなれば、同じメンバーですべての試合を戦い続けることは不可能に近い。当然、選手に疲労が蓄積しないよう、ひいては大きなケガにつながらないよう、メンバーを入れ替えながら連戦をこなしていく必要がある。

 つまるところ、重要なのは「選手層」。ときにメンバーを大きく入れ替えることがあろうとも、それでもなお、チーム力を落とさないだけの戦力を有している必要がある。それは、札幌や湘南だけの課題ではない。

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