2020.07.12

今の川崎の強さに通じる、
9年前のスペインで語られた家長昭博の言葉

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 谷口は「新しく出たメンバーも自分の特徴を出していた」と言い、こう語る。

「トレーニングから、いろんなメンバーと組んでやっているので、全員が共通理解を持っている。みんなが慌てず、自分がやるべきことをやるなかで、自分のよさを出すことを整理してやっている結果だと思う」

 チームを率いる鬼木達監督も、「(入れ替えの理由として)コンディションのところもそうだが、ポジションを争っている選手たちが、なかなか出番がなくても好調をキープしていたので思い切って使う決断ができる」と、選手に対する信頼を口にする。

 川崎の強さは、単に"今、強い"というだけではない。過密日程が続き、総力戦が求められる特別なシーズンである今季、"この先も強そうだ"と思わせるだけの勝ち方を見せている。

 こじつけついでにつけ加えさせてもらうなら、9年前に家長が口にしていた言葉が、くしくも今の川崎に通じるようで興味深い。

「先発で出てる選手も、途中から出てる選手も、そんなに力量は変わらない。ホントに(マジョルカは)いいチームだと思うし、(自分が)先発で出るに越したことはないけど、途中から出ても、ピッチに立ったときに自分のプレーをすればいいだけやし、そこは監督が決めることやし、(途中出場が多くても)全然焦ってない」

 一方的に攻め続けながら、なかなか点が入らないじれったい試合展開。そんなモヤモヤを、久しぶりに見る「AKI」のヘディングシュートが吹き飛ばした。

 2年ぶりの王座奪還へ、視界良好の船出である。

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