2020.07.12

今の川崎の強さに通じる、
9年前のスペインで語られた家長昭博の言葉

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 前半の柏のシュート数はゼロ。川崎が完全に試合を支配し、ほぼ柏陣内でゲームを進めていたことを考えると、40分の先制点はいかにも遅かった。しかし、裏を返せば、(家長自身は「ラッキーだった」とそっけなかったが)それだけ貴重なゴールだったということでもある。

 そのわずか2分後、今度は家長の右足から追加点が生まれ、「前半に2点取れたので、比較的戦いやすかった」とは本人の弁。後半、ギアチェンジした柏に1点を返され、なおも押し込まれる時間はあったものの、点差を考えれば、ほぼ危なげない勝利だった。

「攻撃もそうだが、守備への切り替えが非常に速くやれて、(相手の)前線(の選手)に入る前にボールを取れた」

 試合後、谷口がそう振り返ったように、今の川崎の強さを支えているのは、3試合合計9ゴールの攻撃力もさることながら、切り替えの速さをベースとした守備力でもある。

 攻撃時にバランスよくポジションをとってボールを動かせているため、仮にボールを失っても、選手が置き去りにされてカウンターを受けるようなことがない。

 しかも、出場する選手が入れ替わっても、チーム全体での連動性を高いレベルで保てるところが川崎の強みだ。

 川崎は第2、3節こそまったく同じ先発メンバーで戦ったが、第3節から中2日で迎えた第4節柏戦では、先発を3人入れ替えた。この先も中3日は当たり前の過密日程が続く以上、当然の対応策であるとはいえ、それによってチームのパフォーマンスが著しく低下するようでは、J1制覇はおぼつかない。

 しかし、川崎はさすがの選手層の厚さを見せつけた。メンバーが入れ替わってもなお、試合を圧倒的に支配し続けた。