2020.07.09

今季「特別ルール」が後押しか。
若手台頭で勢いある横浜FCが侮れない

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • ヤナガワゴー!●撮影 photo by Yanagawa Go

 横浜FCは前半終了直前の44分、一度は同点に追いつかれた。シュート数にしても、90分間トータルで柏の12本に対し、わずか4本。中断期間を利用し、低い位置からパスをつないで攻撃を組み立てるポゼッションスタイルに取り組んではいるが、まだまだ発展途上にある。

 それでも、柏のネルシーニョ監督が「今日は何もできなかった」と嘆く一方で、横浜FCの下平隆宏監督は、「ハードなバトルに臆せず戦えた。(パスをつないで)攻撃のリズムを作るところはブレずにやれた」。

 結果は妥当。どちらが勝利にふさわしい戦いを見せたかは明らかである。

 後半開始直後の47分に生まれた決勝ゴールにしても、横浜FCの執念が乗り移ったかのような迫力あるものだった。

 前線へ送られたFKをFW一美和成が頭で落とすと、ボールを拾った斉藤光がペナルティーエリア内へ進入。ここはDFに止められたものの、こぼれ球に松浦が、さらにはMFマギーニョが襲い掛かり、最後は混戦のなか、松浦が技ありの右足ヒールキックでゴールへ流し込んだ。

 リードを奪った試合終盤は、5-4-1の強固な守備ブロックを構築。柏の攻撃を難なくはね返し続けた。

 今季J1に昇格したばかりの横浜FCは、これで1勝1敗1分けの勝ち点4。数字のうえでも上々のスタートを切っているが、何よりチーム全体で気持ちの入った戦いを見せていることに、勢いを感じさせる。

 下平監督も試合後の記者会見で、何度か「選手はよくやった」と繰り返し、こんなことを話している。

「声を掛け合い、一体感を持ってやれた。勝利もうれしいが、チームがひとつになってやれたことがうれしい」