2020.07.07

不屈のFWワシントン。プロ復帰は
無理と言われても心臓疾患を克服した

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

「試合で胸に痛みを感じた時には、すでに心筋梗塞を起こすかもしれない危険な状態だった」

 手術を執刀したアルゼンチンの医師はそう教えてくれたという。

 しかし病気も彼を立ち止まらせることはできなかった。ワシントンは決してあきらめず、サッカーを続けるために新たなチームを探した。

 手術から約半年後の2003年5月に、彼はアトレティコ・パラナエンセと契約を交わした。ところがその19日後に受けた診断で、医師たちはまた、彼の心臓はプロのプレーには耐えられないという結果を出した。パラナエンセは契約を取り消そうとした。しかし、ワシントンはサッカーを続けたい一心で食い下がった。

「半年間無給でもいい、試合にも出なくていい。ただ練習にだけは参加させてくれ」

 まさに「コラソン・ヴァレンチ」である。

 検査を受けながら、彼は練習を続けた。手術からちょうど1年後の2003年11月、ワシントンは普通にチームメイトに混じって練習をしていた。そして12月の検査で、ハイレベルのサッカーをしてもかまわないという診断が出た。翌2004年の1月には彼がパラナエンセの一員に正式になったことが発表された。信じられないリベンジである。