2020.07.07

不屈のFWワシントン。プロ復帰は
無理と言われても心臓疾患を克服した

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 彼のフェネルバフチェでの最初の試合は2002年7月16日。オーストリアのトラウンセティンとの親善試合で、チームは16対1で勝利し、ワシントンは4ゴールを決めた。リーグが始まると17試合で10ゴールを決め、得点王争いにも加わる勢いだった。

 ところが2002年の11月27日、ワシントンは練習後に突然、心臓に激しい痛みを感じた。

「実はその少し前から胸に違和感はあった。それでも練習を続け、土曜日には試合にも出てゴールも決めた。しかし胸の痛みは消えなかった。日曜日には休み、月曜に練習に戻るとまた胸が痛み、火曜日にはそれが耐え難いほどになった」

 当時のことをワシントンはこう振り返る。すぐに病院に行き検査をすると、心臓の左心房の近くの冠状動脈に血栓が見つかった。ワシントンが下された診断は「サッカーを続けることは難しい」というショッキングなものだった。フェネルバフチェは驚き、彼に給料を払うのを止めた。

 ワシントンはデリケートな手術を二度している。一度目は心臓に続く動脈にカテーテルを通して血栓を取り除き、二度目も血管に管を通して膨らませ、血が通うようにした。