横浜FCは「新しい日常」でチームを刷新。コロナ禍の影響は試合にも出る (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by KYODO

 横浜FCには逆転できる機会はいくつもあった。一美や斉藤などが決定機を得たが、どれも外していたのだ。

 後半8分、横浜FCはプレッシングとリトリートが中途半端で、人の配置がずれ、ポジション的優位を失う。中盤に広大なスペースが広がり、中に入ったチャナティップに完全な自由を与え、スルーパスを通される。簡単に裏を突かれてしまい、快足を誇るFW武蔵に引き離されると、鋭い一撃を放り込まれた。

 その後、横浜FCは反撃に移るため、5人の交代枠をすべて使った。しかし、戦いは好転しない。むしろ、守備の乱れからカウンターを食らい、決定機を与えている。

「決定機やチャンスを作り、そこで点を取っていたら、違ったゲームになっていた。ただ、90分を通し、トライし続ける姿勢が見えた。そこはポジティブに捉えたい。ジェイや武蔵など、個のところの戦いは、やはりJ1のレベル。そこで負けないよう、組織的にも戦えると思うので」(横浜FC・下平隆宏監督)

 横浜FCは1-2で敗れたが、斉藤、一美などは可能性を示していた。戦いを重ねる中、見守る必要があるだろう。

「新しい日常」

 それを突き付けられたのは、Jリーグも同じである。再開できたことは、何よりも喜ばしい。しかし、戦い方の着地点を見つけるには、しばらく時間がかかりそうだ。

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