横浜FCは「新しい日常」でチームを刷新。コロナ禍の影響は試合にも出る (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by KYODO

 横浜FCは、防御線が機能していなかった。カウンターをどこでも止められず、ずるずると下がるだけ。チャナティップ、武蔵に対するディフェンス強度も低かった。スペースと時間を与えてしまっていた。

「試合勘」の欠如は、どうしようもならないのか。

 もっとも、その点は札幌も変わらない。2月のルヴァンカップ開幕戦よりも、体は重かった。ビルドアップは各所でノッキング。攻撃を前提にしたキャラクターだけに、守備に回ると弱さを露呈するのだ。

「思っていたことがなかなかできなかった。前半は特にビルドアップがうまくいかず。トレーニングはしているが、ゲーム勘が足りない」(札幌・ペトロヴィッチ監督)

 16分、横浜FCは自陣の佐藤から一本のパスを受けた一美が、鮮やかな反転から抜け出す。札幌の拙守に助けられた部分はあっただろう。2人のディフェンスが同時にチャレンジし、背後を明け渡すというイージーなミスだった。一美はGKとの1対1を冷静に外し、左足で蹴り込んだ。

 率直に言って、ミスが多発した試合と言える。得点シーンは象徴的だ。防御線が緩く、守備強度も弱いため、一発で破られる。トレーニングと試合は違い、コロナ禍の影響が強く出ていた。

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