【THIS IS MY CLUB】25年以上フロンターレと歩むGMが思う「忘れてはいけないこと」 (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 川崎フロンターレ 庄子春男強化本部本部長インタビュー

――昇格わずか1年で、再びJ2に降格する形でしたよね。

「その時、当初から中心としてやっていた方が、責任を取って身を引いたんです。自分も......と思っていたのですが、その方から『お前は残れ。これまでやってきたことを活かす人間がいなければダメだ』と言われて、私は残る決断をしたんです」

――それがフロンターレにとってリスタートとなった01年だったんですね。

「今振り返ってみると、そうなのかもしれませんね。当時の我々は、親会社から出向している意識がやはり残っていた。一方で、選手はフロンターレで活躍できなければ、行くところがなくなる。選手はそうした状況なのに、我々は結果が出なくても戻るところがある。それではやっぱりダメだなと。責任を取って退いていった方の姿を見て、自分の中にもより強い責任と覚悟が生まれたというか。我々もプロにならなければいけないと、その時感じたんです」

――今日までのクラブの歴史を振り返ると、そこから積み上げてきた印象があります。

「00年にJ2に降格した原因を振り返った時、所属選手の半数がJ1昇格に貢献したメンバーで、残り半数が新加入選手でした。そうした選手たちに同じベクトルを向かせるのがいかに難しいかを痛感したんです。だから01年からは、じっくりと、J1に昇格しても落ちないチームづくりを目指してきました。年齢の若い選手を獲得して育てることも考えましたし、アカデミーの強化にも力を入れて自前の選手を育てていこうとも考えるようになったのは、この時ですね」

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