【THIS IS MY CLUB】中村憲剛が語る川崎の哲学。殴り合い上等の頃からブレてない (2ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

――それはチームだけでなく、クラブという単位で見ても言えることかもしれませんね。

「そうですね。優勝したからサポーターが増えたわけじゃないですから。フロンターレはずっと地域密着を掲げてきたクラブ。多くの先輩たちが地道な活動を行ない、地域の人たちに知ってもらって、スタジアムに来てもらって、そこで面白い試合を見せて、徐々に人が増えていったクラブなんです。ある日、突然、サポーターが増えたわけじゃない。

 だから、今いる選手たちもスタッフも、そうした先輩たちの努力があったから今があるのを忘れてはいけないと思います。それはちゃんと今後にもつないでいかなければならないものだと思っています。きっと、今のフロンターレを築くうえでは、どの時代も必要だったと思うんです。いい時もそうじゃなかった時も、変わらないものをちゃんと貫いたから今のフロンターレがある」

――ものすごく漠然とした質問ですが、中村選手がフロンターレっていいなって思う瞬間はどんな時ですか?

「僕、試合に勝って、サポーターのところへ挨拶に行く時からロッカールームに戻るまでがいちばん好きなんですよ」

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