再開Jで問われる監督の力量。「80点試合」増で攻撃的チームが有利だ (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 長田洋平/アフロスポーツ●写真 photo by AFLO SPORT

 スペインのリーガでは、ハイタッチやツバ吐き、握手、倒れた相手に手を差し伸べる行為は、禁止されているというが、頻繁に見かける。頬を寄せ合うシーンさえ見られる。習慣として定着してしまっているのだろう。

 感染リスクが高そうな行為を見ると心配になるが、プレーそのものは、いまのご時世に対応できている。よくも悪くも常識的だ。変にファイトする選手はいない。

 あっさり淡泊ながら、きれいなサッカー。泥臭くないのだ。なにより競り合いが少ない。空中戦も少ない。ハリルホジッチが「日本人に足りない要素だ」とうるさく言っていた「デュエル」が、いまは特段求められていない状態にある。

 間もなく再開されるJリーグで示される傾向も同じだろう。パスサッカーを得意分野にする日本人選手には、馴染みやすい環境かもしれない。

 ただし、問われるのはパス回しの質だ。パスコースの多いサッカー。展開力に富んだサッカー。つまり攻撃的サッカーをするチームが有利になると見る。

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