稲本潤一、19年前のアーセナル移籍。
残酷なまでの現実を知った

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

SC相模原・稲本潤一インタビュー@中編

 驚きのニュースがもたらされたのは、日韓ワールドカップを1年後に控えた2001年のこと。ガンバ大阪に所属する稲本潤一がイングランドの名門、アーセナルに移籍することが発表されたのだ。

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稲本潤一にアーセナルへ移籍した時の心境を聞いた稲本潤一にアーセナルへ移籍した時の心境を聞いた まだ海外移籍が今ほど盛んではなかった時代である。三浦知良、中田英寿らがすでに海を渡っていたとはいえ、彼らの最初のステップはイタリアの小さなクラブにすぎなかった。

 ところが、稲本がオファーを受けたのは「超」が付くほどのビッグクラブ。しかも当時のアーセナルは、飛ぶ鳥を落とす勢いのアーセン・ベンゲルのもとで無敵を誇っていた頃である。

 日本人が世界のトップレベルでプレーする日が訪れるとは想像もつかなかった時代に、当時21歳の若者がその挑戦権を手に入れたのだ。

 当時の状況を、稲本は次のように振り返る。

「海外移籍を本気で考え始めたのは2000年くらいですね。それで、代理人をつけてチームを探してもらっていたなかで、2001年のコンフェデレーションズカップのパフォーマンスをベンゲルさんが評価してくれて。

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