2020.06.19

大物カレッカがレイソルに来た理由。
幻の日本人選手育成計画は挫折した

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

「ナポリではスタジアムを出て車にたどり着くまでにも警官のガードが必要だった。ところが日本では、ひとりで外に出て、写真を数枚、サインをいくつか、ハグを何度がした後は、ゆっくり車まで歩いて行けた。いや、家まで歩いて帰ることだってできた。

 本当に日本はそういう点ではすばらしく教育された国だった。日本という国を深く知ることができたことにも、私は満足している」

 ただひとつ残念だったのは「カヴァキーニョを演奏できないことだった」とカレッカは言う。カヴァキーニョとはサンバなどに使うブラジルの弦楽器で、少しハワイのウクレレに似ている。

 日本滞在後半の彼のフィジカルコンディションはあまりよくなかった。それでもカレッカは決して手を抜かなかった。

「レイソルの新たな時代を作るため、私は心血を注ぎ、奇跡を起こそうとした。痛みがあり、プレーするコンディションになかったことも少なくなかったが、それでも私はピッチに残った。チームメイトの傍らに留まった。レイソルをビッグなチームにしたかったからだ。そしてたぶん、私はそれに成功した」