大物カレッカがレイソルに来た理由。
幻の日本人選手育成計画は挫折した

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

あのブラジル人Jリーガーはいま
第6回カレッカ(後編)>>前編を読む

 ディエゴ・マラドーナとともにナポリの黄金時代を築いたカレッカ。そのサッカー選手としての歩みは、故郷から100キロほど離れたところにあるクラブ、グアラニのテストに合格したことから始まった。

 1993年、ナポリから柏レイソルに移籍、4シーズン在籍したカレッカ photo by Toshio Yamazoe 1993年、ナポリから柏レイソルに移籍、4シーズン在籍したカレッカ photo by Toshio Yamazoe カレッカは1年でグアラニのレギュラーの座を獲得し、4年間ここでプレー。1978年にはこの小さな町のチームを、彼のゴールで全国優勝させた。他のチームはどれも大都市にあるビッグクラブだったが、それを差し置いての優勝だった。

 1983年、彼は都会のビッグクラブと契約をした。サンパウロだ。当時はまぎれもなくブラジルナンバー1のチームだったろう。87年までの間に彼は得点王になり、再びブラジルチャンピオンになり、代表入りを果たし、ヨーロッパの多くのチームから望まれる選手に成長した。

 カレッカがヨーロッパに舞台を移したのは26歳の時だった。

 16歳、17歳でブラジルを出ていく選手が多いなかで、かなり遅いほうだろう。実は1984年、イタリアのインテルがカレッカに莫大なオファーをしてきたこともあったのだが、彼の父がそれを阻止した。

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