2020.06.19
カレッカが語るマラドーナの仰天
エピソード「レモンで100回リフティング」

- リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
- 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko
彼らはナポリに笑顔をもたらした。そして、今でも彼らの思い出はナポリの人を笑顔にする。カレッカとマラドーナが並んでプレーするのを見るのは本当にすばらしかった。彼ほどマラドーナと強く結ばれてプレーできる選手はいなかっただろう。
「ディエゴとはそれまでプレーしたことはなかったが、すぐに息が合った。一緒にプレーした最初のシーズンに私は13ゴールを決め、ディエゴも21ゴール(カップ戦を含む)は決めたはずだ。我々はともにプレーするために生まれてきたようなものだった。
彼の能力、インテリジェンス、テクニックとボールを持った時のスピード、それらをすべて私は瞬時に理解した。彼がピッチでどうやって動くのかも熟知していた。たぶん私たちの最大の強みは、ピッチの中だけでなく、外でも互いを知っていることだった。だから、互いの頭の中がよくわかったのだ」
ナポリ時代のマラドーナはスーパースターだった。どこへ行っても多くの人に囲まれ、家の前にもいつも多くのファンが待ち伏せをしていた。だからマラドーナは落ち着く場所を求めて、よくカレッカの家に逃げてきたという。
「彼はすごく素朴な人間だった」とカレッカは言う。