チャナティップの札幌加入で「ガリガリ君」の売り上げが伸びた背景 (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 茨城空港にベトナムからのチャーター便が飛ぶようになり、ツアー客が試合後に県内を観光するインバウンドにつながった。また、スポーツ文化ツーリズムアワードを受賞する大きなムーブメントとなり、水戸は県からの支援金や新規スポンサーの獲得など大きく収益を上げ、成功例の一つとなった。

ベトナムのグエン コンフォン獲得は、東南アジアから水戸への観光客増という、よい効果を生み出した(写真提供/Jリーグ)ベトナムのグエン コンフォン獲得は、東南アジアから水戸への観光客増という、よい効果を生み出した(写真提供/Jリーグ)<アジア戦略を加速させたチャナティップ>

 こうしたさまざまな事例が生まれるなかで、アジア戦略の海外展開は3つのパターンが形づくられてきた。

「一つは自治体を巻き込んでインバウンドを呼び込むパターン、もう一つは責任企業があるクラブがそこに対してプラスになるパターン、3つ目が新規パートナー獲得へつながるパターン。この3つを各クラブの特性に合わせてカスタマイズしてく形になります」(山下)

 そして、ここまでのアジア戦略でもっとも成功を収めたのが、北海道コンサドーレ札幌だ。Jリーグは14年から "提携国枠"(出場人数に制限のある外国籍選手にカウントしない)を導入し、提携国(タイ・ベトナム・ミャンマー・カンボジア・シンガポール・インドネシア・マレーシア)の東南アジア選手が加入しやすい環境を整えた。

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