チャナティップの札幌加入で「ガリガリ君」の売り上げが伸びた背景 (3ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

「スポーツとの掛け合わせで企業の海外進出をサポートするのは、面白いと評価してもらえました」と言う山下は、「クールジャパンがサポートしているアニメやファッションコンテンツは"日本"をPRできます。ただ、Jクラブには必ず地域名が入っているので、"地域"を㏚できるのです。東南アジアの選手がJリーグで活躍すれば、その国での報道露出が増え、地域とその国とが結びついていきます。クールジャパンの先にある"クールローカル"の部分があるのも、経団連から認められたもう一つの理由だと思います」と語った。

 その"クールローカル"が成功した最たる例が、16年に水戸ホーリホックに加入した、ベトナム代表のグエン コンフォンだ。水戸のある茨城県は、14年からベトナム政府と、農業分野を中心に経済交流を深めるためのパートナーシップを結んでおり、サッカーが国民的な人気を誇るベトナムとの関係をさらに深めるために県から水戸へ、水戸からアジア戦略室へと相談が巡ってきた。

「そこで、ベトナムでナンバーワンのスター選手である、コンフォン選手獲得をクラブと共に企画し、サポートしました」(小山)

 コンフォンはSNSのフォロワーが150万人以上。ベトナムで知らない人はいないほどの知名度を誇る。この移籍はベトナム国内で大きな話題を呼び、県はすぐにコンフォンを"いばらきベトナム交流大使"に任命。県のPR動画などに積極的に起用した。さらにベトナム航空が水戸のユニフォームの背中スポンサーとなり、同航空会社が単一のサッカークラブをスポンサードする初の事例となった。

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る