エメルソンはサルを連れて練習に。横浜で完結した壮絶サッカー人生

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

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あのブラジル人Jリーガーはいま
第5回エメルソン(後編)>>前編を読む

 コンサドーレ札幌、川崎フロンターレ、浦和レッズを経て、2005年にカタールのアル・サッドへ移籍したエメルソン。2007年、彼は次のステップとして、ヨーロッパのリーグを狙う。

 フランスのリヨン、リール、サンテティエンヌが彼をほしがったが、最終的に移籍したのはレンヌだった。一番移籍金が高かったのだ。しかし、北フランスの小さな町は、彼の肌に合わなかった。チームも彼を日本やカタールのように特別扱いしてくれず、レギュラーも約束されない。エメルソンは不満だった。

コリンチャンスではチェルシーを破りクラブ世界一となったエメルソンphoto by Yamazoe Toshioコリンチャンスではチェルシーを破りクラブ世界一となったエメルソンphoto by Yamazoe Toshio 一度嫌だと思うと、ブラジル人は我慢できない。ある土曜日の夜、彼はカタールのシェイクに直々に電話をし、アル・サッドに戻りたいと告げた。翌日、シェイクの代理人がフランスにやってきて、レンヌに即決で違約金を払い、エメルソンはまたカタールに帰ることになった。結局彼はフランスで合計101分しかプレーしなかった。こうして彼のヨーロッパでの夢は終わった。

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