チームの顔・中村憲剛は該当しない。Jリーグのホームグロウン制度って何? (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 J1クラブの全登録選手のうち、日本人選手が469人(3月27日時点)ということは、およそ4人に1人が自前のユース出身者になる。これはなかなかの数だ。大学を経由したユース出身者13人を加えれば、その比率はさらに高まる。

 しかも、ユースチームからトップチームに直接昇格した選手115人のうち、高校時代(ユースチーム)のみ所属していた選手は24人に過ぎず、小学時代(ジュニアチーム)から所属している選手が29人、同じく中学時代(ジュニアユースチーム)からの選手が62人と、より多くを占めている。

 つまり、高校生になって初めてアカデミーに入る選手は少数派ということだ。各クラブが腰を据えて、長期的に育成・強化に取り組んでいる様子が、数字からも見えてくる。

 今季J1クラブのなかでは、HG選手が10人以上所属するクラブは7つあるが、いずれもアカデミー出身者がほとんどを占めている。

◆HG選手が10人以上所属するクラブ
※クラブ名=HG登録人数/アカデミー出身人数(うち大学経由人数)
・セレッソ大阪=16人/13人(0人)
・サンフレッチェ広島=15人/10人(3人)
・FC東京=14人/13人(4人)
・ガンバ大阪=12人/12人(1人)
・柏レイソル=12人/12人(1人)
・清水エスパルス=12人/10人(1人)
・鹿島アントラーズ=11人/8人(1人)

 だが、アカデミー出身がほとんどを占めるとはいえ、細かく数字を見ていくと、それぞれのクラブの特徴も見えてくる。

 C大阪、G大阪、柏、清水が、ユースチームからトップチームへの直接昇格でほぼ占められている一方、FC東京と広島は大学経由での昇格が比較的目立つ。自前で選手を育成しつつも、大学をうまく活用しながら選手の成長度を見極めているのだろう。

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