2020.05.14

いじられ監督とやんちゃな選手たち。
2012年優勝の広島は底抜けに明るかった

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki


 何より強みとなったのは、森保監督が植えつけた守備力だった。

 ペトロヴィッチ監督時代はリスクを負った攻撃を売りとしたが、その分、失点も多かった。しかし、森保監督は前任者の攻撃スタイルを継承しながらも、守備の強化を実現。「簡単に点を獲られない安心感があるからこそ、攻撃も思い切ってリスクのあるプレーができた」と佐藤が言うように、守備の安定が攻撃面にもいい影響をもたらしていた。

 この年、広島はリーグ2位の63得点を記録し、失点もリーグ2位の34失点。ロマン派の前任者のスタイルに現実的なエッセンスが加わった「ハイブリット型のチーム」に進化を遂げたのだ。

 もちろん、スタイルだけでなく、それを実現しうるタレント力も備わっていた。戦力ダウンしたとはいえ、GKには西川周作、DFには水本裕貴、中盤には森崎兄弟(和幸・浩司)、青山敏弘、高萩洋次郎と、20代中盤から30代前半にかけた脂の乗り切った選手たちが主軸をなした。