2020.05.10

ネルシーニョ率いる柏レイソルの魅力。
啓示的なのは2013年の戦い

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki


ナビスコカップを制した2013年の柏レイソルナビスコカップを制した2013年の柏レイソル  ネルシーニョは見事な差配で、手元に置いた選手を覚醒させていった。2013年には、柏ユース上がりのFW工藤壮人、アルビレックス新潟から獲得したDF鈴木大輔の2人を、日本代表に押し上げた。

「(2013年は)ナビスコカップ決勝だけでなく、(日本代表も含めて)全大会で29得点を記録しました。ACLでは6点。韓国のチームに勝って準決勝まで行き、国際大会での自信もつきました」

 工藤はそう語っていたが、"ネルシーニョ柏"の申し子だったと言える。浦和レッズとのナビスコカップ決勝では、右サイドからの低い弾道のクロスをファーポストに流れ、ヘディングで逆サイドへ叩き込んだ。これが決勝点になって、MVPを受賞した。

「当時は、『過密日程』と言われていましたが、戦うことで成長している感じがありましたね。自分としては、レベルの高い試合ができるのが楽しくて仕方なかった。あとはキタジさん(北嶋秀朗)がいなくなって、自覚が出てきました。チームをどうしたいか、この試合をどの方向に持って行くか、大きな視点でも考えられるようになっていました」

 試合を重ね、選手が輝きを増していく姿があった。