2020.05.08

01年ジュビロに伝説の「N-BOX」誕生。
そこには夢とロマンと儚さがあった

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 開始3分で鈴木隆行に出会い頭のゴールを許したが、高原直泰、藤田のゴールで逆転。スコアこそ2−1と僅差だったが、衝撃的とも言えるゲーム内容で磐田が完勝する。

 もっとも、N−BOXが今なお語り継がれているのは、パフォーマンスの高さやネーミングの秀逸さによるものだけではない。

 夢の実現を前にして散るという儚さによっても、このシステムを伝説にしたのだ。

 開幕7連勝で首位を独走していた第8節のガンバ大阪戦で名波が右ひざを負傷し、離脱に追い込まれてしまう。N−BOXは名波なしでは成り立たないため、N−BOXはいったん封印された。

 さらに、その1週間後、運営を任されていたマーケティング会社の倒産により、クラブ世界選手権の延期、さらには中止が決まるのだ。

 名波が復帰するのは、わずか1敗で迎えた第13節の横浜F・マリノス戦。この試合を高原の延長Vゴールで制した磐田は、2試合を残して1stステージ優勝を決めた。