01年ジュビロに伝説の「N-BOX」誕生。そこには夢とロマンと儚さがあった

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

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第2回:2001年のジュビロ磐田

 歴代最強といって思い浮かぶのは、史上初の完全優勝を成し遂げた2002年のジュビロ磐田だ。

 よく組織されたディフェンスと、人とボールが高密度で連動するオフェンス。その両方を極めた異能の集団がシーズン中に喫した敗戦はわずか3つ。他の追随を許さず両ステージを制覇し、前人未到の偉業を成し遂げた。

名波浩なくして「N-BOX」は成立しなかった名波浩なくして「N-BOX」は成立しなかった だが、それでも2002年より2001年、それも1stステージの磐田に惹かれるのは、そこに夢とロマン、さらには儚(はかな)さがあるからだ。

 この時、磐田は世界でも類を見ない、実にチャレンジングなシステムを駆使し、攻撃的なサッカーを追求していた。

 いわゆる、「N−BOX」である。

 数字で表せば、3人のDF、5人のMF、2人のFWによる3−5−2だが、サイドを担当するウイングバックの選手はいない。

 右の攻撃的MFに藤田俊哉、左の攻撃的MFに奥大介、右ボランチに福西崇史、左ボランチに服部年宏、そして、4人を結んだ四角形の真ん中に、名波浩がいた。

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