2020.05.05

2度の大ケガで苦しんだ本音を吐露。
広島・佐々木翔はどう逆境をバネにしたか

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki


 最初に負傷したのは2016年3月20日、J1リーグ1stステージ第3節で、大宮アルディージャと対戦した試合終盤だった。

「1回目の時は、楽観視していたところもあったんです。時間はかかるけど、必ず戻れるんだと考えて、気持ちを切り替えようとしていたように思います。たとえば、捻挫もそうですけど、リハビリしていけばもとに戻るわけじゃないですか。そう思ってたというか、思おうとしていた。

 でも、前十字じん帯は違って。リハビリが進む速度も尋常じゃないほど遅いし、できることの伸び率がちょっとずつしか進まない。それ以上に、最終段階に入ってくると、結局、自分の足が前とは同じ状態には戻らないということを理解したので、それを受け入れるのがきつかったですね」

 完治した今も、正座することはできないという。表情こそ見えないが、まるで右ひざを見つめているかのようだった。そして、振り返っていく過程では、今だから明かせるエピソードを思い出してくれた。