2020.05.04

ジーコの抜けた穴を埋めたベベット。
W杯で見せた「悪童」との友情

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

「16歳の時、ヴィトーリアにテストを受けに行ったが、その時の僕は身長170センチで体重は49キロしかなかった。だから僕を見たヴィトーリアの監督は、始めは僕を参加させたがらなかった。『こいつはあまりにも軽すぎる、強風が吹けば飛んでいき、二度と見つけられないだろう』ってね。でも10分プレーする間に、僕は2ゴールを決めた。監督はその午後、すぐに僕をトップチームの練習に合流させてくれた」

 当時を振り返って、ベベットはこう語る。

 ベベットが17歳になった時、ヴィトーリアは自分たちが金の卵を持っていることに気が付き、彼をセレソン(ブラジル代表)のドクターのもとに連れて行った。しかし、ドクターは、「彼には何の薬も必要ない」と言った。よく練習し、よく食べれば、ちゃんと成長すると診断し、実際その通りになった。

「1年もしないうちに僕は5センチ背が伸び、体重も8キロ増えた」

 1年半後、彼の人生は一変した。名門フラメンゴが彼を望んだのだ。冒頭にも述べたようにジーコの抜けた穴を埋めるためだった。