J最多優勝の鹿島アントラーズらしさを表す、MVP受賞者わずか3人の謎

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

MVPに見るJリーグの歴史(2)

 まずは、クイズから始めてみたい。

 過去Jリーグでは、延べ人数にして全27人の年間MVP受賞者のうち、18人はそのシーズンの優勝クラブから選ばれている。つまり、優勝クラブからMVPが選ばれなかったケースが9回あるのだが、「MVPなしの優勝」回数が最も多いのは、どのクラブか。

 答えは、鹿島アントラーズ。そもそも1996年の初優勝以来、鹿島は史上最多8回のJ1制覇を成し遂げているのだから、確率的に言えば当然の答えかもしれない。その優勝8回は、2位横浜F・マリノスの4回を大きく引き離す、断然のトップである。

史上最多となる8度のリーグ優勝を誇る鹿島アントラーズ史上最多となる8度のリーグ優勝を誇る鹿島アントラーズ では、鹿島の「MVPなしの優勝」は何回あるのか。

 答えは、実に5回。これにはちょっと驚く人も多いのではないだろうか。つまり、鹿島が優勝した8シーズンのうち、鹿島からMVPが選ばれたことは、半分以下の3回しかないのだ。

1996年=○ジョルジーニョ
1998年=×中山雅史(ジュビロ磐田)
2000年=×中村俊輔(横浜F・マリノス)
2001年=×藤田俊哉(ジュビロ磐田)
2007年=×ロブソン・ポンテ(浦和レッズ)
2008年=○マルキーニョス
2009年=○小笠原満男
2016年=×中村憲剛(川崎フロンターレ)

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