なぜMVPが優勝クラブ以外から選ばれたか。Jリーグで意外と多いその理由 (5ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Masakazu Watanabe/AFLO SPORT

 1ステージ制のなかで起きた2回の"例外"についても、極めてよく似た共通点がある。

 1度目は、2007年MVPのロブソン・ポンテ(浦和レッズ)、そして2度目は、2013年MVPの中村俊輔(横浜F・マリノス)。彼らはともに、勝てば優勝決定の最終節で敗れ、2007年の浦和は鹿島に、2013年の横浜FMはサンフレッチェ広島に、それぞれ逆転優勝を許したことで共通する。

 鹿島や広島にしてみれば、なぜうちから選ばれなかったのか、と言いたくもなるだろう。もちろん、優勝クラブに満場一致でMVPに推されるような選手がいたなら、話は別だったはずだ。

 しかし、そうでないとなると、シーズンを通して優勝争いをけん引してきた"準優勝クラブ"の選手のほうが、印象度で上回ったとしても不思議はない。そのなかで見せた出色の働きがMVP選出につながった、ということだろう。

 かつてJリーグが採用していた2ステージ制の不合理さは、歴代MVPの顔ぶれにも色濃く反映されている。

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