ポンテは大事な試合で必ず決定的活躍。
浦和は黄金期を迎えた

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by AFLO

 それでもポンテはシーズンを通して、異次元のパフォーマンスを披露し続けた。ベテランの域に入ったアタッキングMFは、いかなる時も冷静にゲームをコントロールし、たしかな技術に裏打ちされた外連味のないプレーでチームを動かした。

 ブラジル人ながら、ドイツで6年を過ごしたからか、スキルに溺れることは一切なく、動きの選択は常に最善。正確無比なキックで、リーグ戦7得点し、14ものアシストをマークした。

 相手との間合いを制すような巧みなドリブルもじつに効果的だったし、ワシントンや永井雄一郎との連係も呼吸も合っていた。そしてゴールや勝利のあとには、素敵な笑顔を見せた。

 当時、ポンテと対戦した選手たちは、皆一様に手放しで彼を称賛している。ガンバ大阪でディフェンスの中心を担った山口智は「彼がいなかったら浦和は機能しないでしょう。ポンテは浦和のすべてですね」と言い切り、鹿島アントラーズの守備の要だった岩政大樹は「決定的な仕事が多かった。MVPはポンテしかいないでしょう」と讃えている。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る