すべてはジーコから始まった。衝撃のJリーグ開幕戦ハットトリック

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

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1993年~2019年Jリーグ
『私のMVP』~あの年の彼が一番輝いていた
第1回:1993年のジーコ(鹿島アントラーズ/MF)

 Jリーグ27年の歴史のなかで、「最強」と言えるクラブは、間違いなく鹿島アントラーズだろう。

 国内タイトル(Jリーグ、Jリーグ杯、天皇杯)獲得19回、アジアチャンピオンズリーグ優勝1回。合計20冠という数字は群を抜いている。その土台を作ったのがジーコだった。

Jリーグの開幕戦でハットトリックを決めたジーコ(鹿島アントラーズ)Jリーグの開幕戦でハットトリックを決めたジーコ(鹿島アントラーズ) Jリーグが開幕する2年前の1991年。ジーコは当時、日本リーグ2部に所属していた鹿島の前身、住友金属に入団した。その2年前の1989年に一度現役を引退しており、ブラジルでスポーツ担当大臣を務めていた。そんなジーコがなぜ2部でプレーするために日本までやってきたのか。当時、こんなことを言っていた。

「プロ化を目指す日本に何が欠けているのか、何を補ったらいいのか、プロ化のお手伝いをしようと思った」

 さらにこう続けた。

「日本は新しいマーケットとして全世界から注目されている。このまま日本のサッカーが成長し、世界から注目されるリーグになった時、みなさんは気づくはずだ。ジーコが日本に来た理由はこれだったのか、と」

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