過去の数字から読み解く。今季J1で「降格なし」が与える影響は

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 新型コロナウイルスの感染拡大にともない、2月26日のルヴァンカップ(グルーリーグ第2節)以降、すべての公式戦が開催延期となっているJリーグ。当初、その再開については、J3の4月25日を皮切りに、J2は5月2日、J1は5月9日と、段階的に再開されることが、3月25日の臨時実行委員会において、基本合意されていた。

 だが、4月3日にNPBと合同で実施した「新型コロナウイルス対策連絡会議」で、専門家からの提言を受けて、再開日は一旦、白紙に戻すことになった。今後も状況を見ながら慎重に対処していく予定だが、現状では5月末以降からの再開を目指す見通しだ。

記者会見で今季のJリーグについて語った村井満チェアマン記者会見で今季のJリーグについて語った村井満チェアマン さて、日程については先行き不透明な今季のJリーグだが、すでに決定している変更事項もある。それが、「昇格あり」「降格なし」の特例ルールの適用である。

 もともと今季の規定では、リーグ戦の成績に従い、J1の下位2クラブとJ2の上位2クラブが自動昇降格で入れ替わり、J1参入プレーオフも加えれば、最大3クラブが入れ替わることになっていた。

 また、J2とJ3の間でも、同じく2クラブが自動昇降格によって入れ替わるはずだったが、今季はそのうちの昇格のみを「あり」とし、J1からJ2へ、J2からJ3への降格は、いずれも「なし」となったのだ。

 これにより、来季(2021年)のJ1は従来の18クラブから20クラブへ、J2は22クラブから24クラブへと増やしてリーグ戦が行なわれるわけだが、再来季(2022年)からは、再び、従来どおりのクラブ数に戻さなければならない。その点は今後検討されるようだが、来季のJ1とJ2からは、それぞれ4クラブがJ2とJ3へ降格となる見通しだ。

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