2020.03.31

得点数はJ歴代5位。「史上最強の助っ人」
と評価するにふさわしいFW

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Hitoshi Mochizuki/AFLO

 しかも、マルキーニョスが優れているのは、ひたすらエゴイスティックに自分のゴールだけを狙うわけではないところだ。前線からよく走って相手ボールを追い、プレスバックも忠実にこなす。バランスを重視し、組織的な守備をベースにする鹿島の戦い方に、しっかりと適応していた。いや、それどころか、範を示す働きを見せていた。

 加えて、巧みなチャンスメイクもでき、2トップのパートナーを生かすこともできる。田代有三、興梠慎三、大迫勇也ら、若手FWの能力を引き出し、開花させたという意味でも、チームへの貢献度は大きかった。

 ちなみに、大迫のプロ(公式戦)初ゴールをアシストしたのもマルキーニョスだ。AFCチャンピオンズリーグの上海申花戦で、クリア気味のロングボールを拾って独力でキープし、ペナルティーエリアへ進入。相手DFを十分に引きつけたうえで、大迫へラストパスを送っている。

 4連覇を逃した2010年限りで鹿島を離れたあとも、横浜FMと神戸で3季連続ふた桁ゴール(2012~2014年)を記録するなど、高い得点能力を発揮。2001年から(途中、東日本大震災をきっかけに、一度ブラジルへ戻ったことはあるが)およそ15シーズンに渡ってJ1でプレーし、そのうち10シーズンでチームのトップスコアラーとなっている。つまり、期待外れに終わったシーズンが非常に少ないということだ。

 J1通算のゴール数は、実に152。これは、外国人選手としては歴代最多であり、日本人選手を加えても歴代5位となる数字である。Jリーグで長く活躍し、複数のクラブでコンスタントに勝利に貢献してきたという意味で、歴代最高の評価にふさわしい選手だった。

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