2020.03.31

得点数はJ歴代5位。「史上最強の助っ人」
と評価するにふさわしいFW

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Hitoshi Mochizuki/AFLO

 この2年ほどは、そうしたやり方の限界が見え、タイトルから遠ざかる結果になってはいるが、それはさておき、バランス重視で無理をしない戦い方で勝ち切るためには、決定力の高いストライカーが不可欠だった。

 3連覇を成し遂げた当時にしても、鹿島は圧倒的な強さで相手をねじ伏せていたわけではない。たとえば、2007~2009年シーズンの鹿島の総得失点差は2007年から順に、+24、+26、+21。通常、優勝チームなら+30を超えてもおかしくないのだが、鹿島はすべて+20点台にとどまっている。

 また、同じく総得点を見ても、60、56、51と、すべて60点以下。優勝チームのなかには、総得点が70点を超える例があることを考えれば、これもかなり少ない数字だ。

 つまり、当時の鹿島は圧倒的な攻撃力を誇り、どこからでも点が取れるというチームではなかった。手堅くゲームを進め、ピンチも少ないが、チャンスも少ない。そんな際どい戦いのなかで、少ないチャンスを確実に生かしてくれたのが、マルキーニョスだったのだ。

 30歳を過ぎ、円熟味を増していた点取り屋は、豊富な経験に裏打ちされた正確な技術と判断で、ゴールパターンも多彩だった。味方にお膳立てしてもらったワンタッチゴールばかりでなく、少々遠目だったり、難しい角度だったりしても、正確にゴールの四隅へシュートを蹴り込める技術を備えていた。

 マルキーニョスは3連覇を成し遂げた3シーズンで、常にチーム得点王だったが、とりわけその価値を高めたのが、2連覇を成し遂げた2008年シーズンである。

 このシーズン、マルキーニョスは21ゴールを決めてJ1得点王を獲得。合わせて、シーズンMVPにも選ばれている。