2020.03.26

中村憲剛「自分を引き上げてくれた」と感謝。
ジュニーニョは川崎の太陽だった

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by AFLO


 それだけではない。クロスに合わせてゴール前に入っていくコース取りとタイミングも秀逸で、横からのボールを面で合わせる技術が抜群に高かった。

 そうした繊細なプレーを裏打ちしていたのが、足もとの技術だった。見ているこちらが思わず「うまい」とうなるほど、とにかくトラップが正確だった。自分が思い描いたところにボールを置くことができるから、カウンターでも最適な道筋を選ぶことができたし、174cmという背丈ながら前を向いて仕掛けることもできていた。

 シーズンを重ねるたびにその得点パターンは増し、あの中村憲剛をして「サッカーIQが高い」と言わしめたほどである。

 その中村とはホットラインを形成。中村からのラストパスをジュニーニョが決める----。この黄金パターンで川崎の一時代を築いた。

 かつて中村に、ジュニーニョについて聞いたことがある。

「ジュニにはいろいろと教わりました。教わったというよりも、要求されたと言ったほうが正しいかもしれない。要求されることで、自分も引き上げてもらいましたから」