2020.03.26

14年前に全国V。野洲高の10番は
なぜプロ入りしなかったのか

  • 鈴木智之●取材・文 text by Suzuki Tomoyuki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 平原は中学、高校とチームの中心としてプレーしたが、チームメイトからの評価とは裏腹に、プロになる道をあきらめ、早くから大学進学を考えていた。

チームメイトの評価とは反対に、平原は高2の時にプロをあきらめていたという photo by Sportiva「大学卒業後のことを考えて、近畿大学に行きました。サッカーは4年間やったんですけど、関西1部リーグと2部リーグを行ったり来たりでした。ただ、途中でサッカーを辞めようとは思わなかったんです。同級生にめっちゃ頑張るヤツがいて、そいつを見ていると、サッカーで大学に入らせてもらったので、中途半端な形でサッカーを辞められないなと思って」

 大学1年生時からトップチームでプレーした。高校時代同様、ボランチとしてチームを操っていたが「フィジカルで潰されることも多く、周りの選手と変わらないぐらいでした」と振り返る。

 現在は野洲高時代の同級生が立ち上げた、運送会社で働いている。チームメイトの多くが今もサッカーと関わりを続ける中で、平原は早くから違う道を選んだ。しかし、サッカーの育成についての話を向けると、こんな答えが返ってきた。

「自分が小学生、中学生の頃に、『この試合に勝て』と言われたのは、最後の大会だけなんです。それまでは、試合に勝つことよりも、内容に目を向けていました。大会で優勝することよりも、先を見据えて指導してくれたんだと思います。今振り返ると、それがよかったのかなと思います」