覚醒した柏の10番。江坂任は
マルチな能力で助っ人モンスターを操る

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images


 2015年に流通経済大からザスパクサツ群馬に加入した江坂は、その年、ルーキーながら13ゴールと活躍。翌年には大宮アルディージャへとステップアップを果たし、2シーズンにわたって主軸を務めた。柏に移籍したのは2018年のこと。背番号10を託され、攻撃の中心選手としてプレーしている。

 これまでコンスタントに結果を残してきた一方で、大宮、柏では2年連続で降格の憂き目にあうなど、貢献度としては物足りなさが残った。それが江坂の評価を難しくしている要因かもしれない。

 能力的には申し分ない。力強いドリブルでボールを運び、鋭いラストパスで決定機を生み出していく。シュートセンスも高く、身長175cmながらヘディングの強さも備える。そのオールラウンドな攻撃能力は、リーグでも屈指だろう。

 札幌戦で目を引いたのは、ボールを引き出す能力だ。相手を背負った状態でも当たり負けせず、しっかりとボールをキープし、次の展開へとつなげていく。あるいはカウンターの場面では誰よりも先に動き出してボールを受け、そのまま持ち運んで何度も決定機を作っている。

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