清水エスパルスの攻撃を司る、
20歳で無名の長身MFに目を奪われた

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 プロに入って2年間、西村は完全になりを潜めていた。表舞台に立つことはあまりなかった。2017年にU-18日本代表候補のトレーニングキャンプに招集されているが、東京五輪の候補選手に選ばれた過去はない。そこに、存在としての面白さを感じる。

 先述のルヴァンカップの川崎戦。西村は、田中碧に代わって川崎側でプレーしたとしても、十分やれたように見えた。続くFC東京戦しかり。西村がFC東京にいれば、その攻撃は外国人選手頼みの現状からもう一歩踏み出した、面白いサッカーができたのではないか。

 実力と知名度との間に、いい意味で最もギャップを抱えた選手。いいサッカーをするうえで欠かせない選手。川崎戦、FC東京戦で、その片鱗を見た気がする。

 リーグ再開後、まず目を凝らしたいのは、この20歳の大型MFになる。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る